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死ぬ程洒落にならない怖い話をあつめてみない?『嫉妬心がヤバすぎる女』 | 不思議.net

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    死ぬ程洒落にならない怖い話をあつめてみない?『嫉妬心がヤバすぎる女』



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    12: 2007/03/08(木) 12:23:28 ID:72XBBSum0
    【彫られた木】

    3年前、仲間達と旅行に
    宿泊先は友人Aの2階建別荘
    現地に到着後、スーパーでBBQの材料、酒を購入してわいわい気分

    夏、BBQとくれば怪談話
    BBQの火と少しの灯りの中で話し始めたんです
    1話、2話、聞いたことのある話、初めて聞いた話と
    お酒が入るとトイレが近くなる
    男は立小便する為に移動し、済ませて戻る
    『あれ?Aは?』
    『小便じゃないの?』
    『あ、帰ってきた・・・ん?』
    Aの横にもう1人いるんです・・・皆、見てる
    徐々にAが近づいて・・・すると、もう1人が消えたんです
    ・・・
    A『どうした?』
    『いや、何でもない』
    そんなこんなでBBQ怪談も終わり、部屋に戻ることに
    こっからがまた恐怖でした・・・

    引用元: https://hobby9.5ch.net/test/read.cgi/occult/1173293652/

    17: 2007/03/08(木) 15:07:34 ID:72XBBSum0
    >>12の続きです~
    別荘、広いLDK、ベッドルームが4部屋
    1部屋に2人ずつ寝る形になりました(書き忘れていましたが、男4人、女2人)
    自分はAの隣の部屋、Cと同じ部屋になりました

    まあ、まだ寝るわけではなく、リビングで酒を飲みながら談笑していたんです
    下戸なCが先に寝、D子も部屋に戻り、部屋には自分、A、B、E子となりました
    数十分経過した頃でしょうか?
    Cが下りて来たんです
    C『おい!いい加減にしろよ!!!』
    自分・A『何が?』
    C『壁とか叩くなよ!』
    やってない・・・
    A『俺達、ずっとここにいたけど・・・』
    E子がD子を確認しに行ってみたんですが、爆酔していたとのこと・・・

    沈黙

    TVの音だけが流れ、嫌な雰囲気に・・・
    寝ようか?
    誰かのそんな一言で解散になり、部屋に戻ることになったんです

    19: 2007/03/08(木) 15:27:12 ID:72XBBSum0
    正直、許されるなら帰りたかった
    幽霊とか良く見るんで、嫌だな~って感じになっていました

    C『てか、本当に誰も?』
    自『うん』
    C『Aの横にいた変なのが関係あるのかな?』
    自『さあ・・・』

    パァァァンッ!

    1階から凄い音が聞こえ、Cと部屋を飛び出しました
    A、Bも出てきて、一緒に1階に
    1階リビングの窓2面が割れていたんです
    呆然とする中、D子、E子も下りて・・・直に泣き出し
    もう、何が何だかで・・・

    とりあえず、怖いので、2Fに全員でいることにしました
    布団だけ持ってきて、雑魚寝
    恐怖で混乱しているのか、どこかしらで音がしているような・・・
    いえ、しているんです
    ミシッ・・・ドンッ・・・パシッ・・・

    21: 2007/03/08(木) 15:50:41 ID:72XBBSum0
    皆、寝付けたのか?
    静まり、寝息と外の自然の音だけが聞こえるようになっていました

    ドンッ

    近くで音がし、飛び起き、辺りを見回しましたが何も無く
    大きな音がしたのに、皆は寝たまま・・・
    凄い恐怖感が襲ってきまして、布団をかぶり丸まりました

    ドンッドンッドンッ!
    ドンッドンッドンッ!

    部屋のドア?を叩く凄い音
    ヤバイ!と思った瞬間、Aが起き上がり凄い勢いでドアを押さえたんです
    自『A!』
    A『ヤバイ・・・と思って』
    A『俺、ベッドにいたじゃん、窓の方を見てたんだけど・・・何かが覗いていたんだよ!』
    自『まじかよ・・・』
    A『さっきから視界に何かが入ってきていて、何かは分からないんだけど、ついてくるんだよ・・・』

    その後、Aと自分は起き続け、多少の音はしましたが、無事に朝を迎えることができました
    Aに昨日、Aの隣に何かがいたという事実を告げ、Aが小便をした現場に行ってみたんです
    そこには、木があり、誰が彫ったのか木の下らへんが人の形をしていたんです
    素人ですが、日本酒で清め、花と先行を供え謝りました

    それから自分は別荘、コテージ恐怖症になってしまいました・・・

    窓ガラス
    皆で割り、直したのが1番痛かったですw

    22: 本当にあった怖い名無し 2007/03/08(木) 16:25:47 ID:npmC84kV0
    それがまじの話なら今もついてる可能性あるよ
    普通奉るにしても何にしても人形なんてつくらないからだれが人形を彫って
    そこに霊がとりついたと考えるほうが普通だからちゃんとしたとこでお払いしてもらったほうがいいよ

    276: 2007/03/16(金) 01:25:35 ID:ZSPX2Afv0
    【錆びた釘】

    流れぶったぎって悪いが話投稿するよ。
    あれは一年ぐらい前の事だと思う。俺が青梅にある有名な心霊スポットに友達何人かといったんだ。
    そのときもカメラのシャッターがおりなかったり、音声認識のカーナビが無音状態の車内で突然起動したり
    変な事は色々あったんだ。
    でもほんとうにおかしかったのはそれからだった。
    その三日後ぐらいだったと思う。
    その夜、寝ていた時に突然内臓のどこか・・・というか下腹部が猛烈に痛み出したんだ。本当に痛くて血を吐いたり、痛みでベッドの上をのた打ち回った。
    救急車を呼んで病院でレントゲンやら色々検査したら、小腸に10センチくらいの錆びた釘が入ってるって言われたんだ。手術で取り除いたが医者に「なんでこんな物が入ってるの?」って聞かれたが答えられるわけも無い。
    飯に紛れ込んだとしたって明らかに気づくし飲み込めるはずない。
    突然夜痛み出したのもおかしいし、おれにはあの夜にいきなり釘を腸にぶち込まれた気がしてならない。
    なんだか得体の知れない恐怖に襲われた。

    結局あのトンネルが関係あったのかどうかは今でも分からないが、たぶん人生で一番洒落にならないくらい怖かった。

    415: 2007/03/17(土) 08:51:34 ID:MOa08guQ0
    すまん、釘の話を書いた物なんだが、いまさらで悪いんだが>>276の釘の話にはもう少し続きがあるんだ。
    この間で終わらそうとも思ったんだがやっぱり起こった事実をありのままに書こうと思う。
    このコテにも理由があるんだ。



    釘が俺の腸から出てきて、何日かたった後俺は一緒にトンネルにいった友達に連絡を取ろうと思い携帯やら自宅やらにかけたのだがなぜかいつもタイミング悪く繋がらない。
    電源が切れていたり、自宅にかけても家族が「ごめん、今外に出てて・・・さっきまでいたんだけど」とか・・・。

    そんな状態がしばらく続き、俺はなんとか退院する事ができた。
    それから友達とも連絡がつき、一緒に行った友達が家にお見舞いに来る事になった。
    この時、俺はまだ「入院したが、退院する事ができた」とだけ言って詳しい事はまだ言ってなかった。
    その友達と、ある程度世間話を交わしたあと
    「そういえば、なんで入院したの?」と聞かれ、腸から錆びた釘が出てきた事を伝えると見る見るうちに顔が青ざめていった。
    そして
    「そうか・・・あれは釘だったのか」ってつぶやいた。
    どういうことかと思い気になって聞き返すと、どうやらその友人はトンネルに行ってい以来ずっと同じ夢を見続けていたらしい。
    それは自分の腸から、細長く真っ黒なエノキ茸のようなものが一本だけするすると生えてきて腸の中をもぞもぞと蠢き回る・・・というものだったそうだ。

    418: 2007/03/17(土) 08:55:02 ID:MOa08guQ0
    俺の話を聞いて、友人はやっとそれがキノコではなく釘だったことが分かって恐怖に震えたのだという。

    結局、なぜそんな夢を見続けたのか・釘を入れたものはなんだったのか、そんなのはやっぱりひとッつもわからなかった。
    ただ、キノコの夢にしろ釘にしろなんとも得体の知れない恐怖を味わった事は確かだった。
    これで釘の話は全部です。

    438: 本当にあった怖い名無し 2007/03/17(土) 10:30:20 ID:RNv5f8470
    >>418

    なんかオチ(腹に釘)に理由がないっていうのが怖い
    全て理由付けしちゃうと作り話臭くなってしまうから・・・
    いや、作り話でもいいんだけどね。

    294: 1/4 2007/03/16(金) 08:57:03 ID:8XJgihZ60
    【お母さん見つけた】

    一ヶ月程前、夜中にコンビ二に買い物に行った。東京とはいえ
    東のはずれにある住宅地で、人通りはまるで無かった。
    大通りの角にあるコンビ二で用事を済ませ、オレンジの街灯の下
    自宅に向かって歩いていた時、女の子の声で
    「ふふふ」
    と笑い声か聞こえた。私はその瞬間こおりついた。
    相変わらず回りに人の気配は無い。ただそこで私は
    「人がいないのに笑い声が聞こえた」から怖がったのではなかった
    声の主は頭上、数メートル上のあたりにいるようなのだ

    295: 2/4 2007/03/16(金) 09:03:08 ID:8XJgihZ60
    そこで上を見る勇気もなく、私は足早に家に向かった
    数メートル先を左折、小さな坂を下り、数分後に右折して私の家
    その五分をかからない時間がおそろしく長く感じた
    最後の右折、ちょうど小学校の正門がある前で思った

    上にいる(いた?)何かを確認しなければ。ついてきたら困る

    数秒間迷い、決意して、足早に歩いて荒くなった息も整った頃
    思い切って上を見上げた・・・が見えなかった

    296: 3/4 2007/03/16(金) 09:08:04 ID:8XJgihZ60
    その瞬間「何か」に頭を押さえつけられた
    同時に聞こえてきた女の子の声は言った

    「お母さん見つけた」

    ・・・私は独身だし子供もいない
    (やばい・・・やっかいな霊に呪われる、とりつかれる)
    ダッシュで帰宅、両親を起して事情を話した
    一晩中家族が起きててくれて、朝までなんとか無事過ごした

    297: 4/4 2007/03/16(金) 09:12:46 ID:8XJgihZ60
    それから一ヶ月間、数時間ごとに笑い声が聞こえる
    もちろんその瞬間は上を向いても押さえつけられる
    お払いも効かず体調を崩し、ほとんど眠れない

    そこで昨夜、勇気を出してその声に向かって聞いた

    「人違いだよ、子供もいないし。いい加減にして」

    女の子の声はあきらかに怒っていた

    「生まれる前に殺したくせに」

    345: 嫌な思い出 2007/03/16(金) 17:43:59 ID:az8IKyovO
    【泥だらけの娘】

    これは俺が小学生のころの話なんだが。
    学校では月に一度レクリエーションをやっていたんだ。
    その日は宝探し大会をやってさ、先生が地図を作って生徒達に渡し学校の各所に宝を先生らが隠しそれを地図みながら探すっていうイベントをやっていたんだが、事件がおこったんだよ。

    ちなみに死体が見つかったとかではない。
    班ごとに宝をさがすんだけど班には男子女子2名ずついて、一緒の班の女子が好きな娘だったんでテンション上がって宝をいち早くさがして株を上げたかったんだろうね。
    俺は班の仲間をひっぱりだすように、はりきりながら宝を探したんだよ。
    宝の場所は5箇所あり俺は学校の近くの森に印がついていたのでその森に行こうと言い出した。

    みんなは断る理由がなかったので俺に従ってついてくる。
    森についたおれたち一行はちらばって宝のありそうな場所を探った。
    この場所で事は起こったんだ。
    あまり思いだしたくはないんだが…。
    俺は好きな娘の方へ向かったんだ。宝は見つかったのだろうかと。
    俺がその娘に近づくと俺に気づいたのだろうか?
    「こないでーーー!!」
    ん!?
    なんだ?なにが起きたんだ。

    その娘をみると、なんと知らないひとに…ヤラレていたんだと思う。
    俺は恐くなって逃げだしてしまった。
    そして他の仲間と森の出口で待っていた。(俺は説得してまつようにいった。)
    俺は班の他のやつらにいわなかった。いや、言えなかったんだ。
    そして泥だらけのその娘が森の出口の方へ向かってくるのがわかった。
    第一声が
    「ごめんねーとまどっちゃって(笑)」
    その娘は手に宝を持っていた。
    俺は小学校を卒業するまでその娘とまともに喋れなかった。
    今思いだしても鬱になる出来事だ。

    444: 1/2 2007/03/17(土) 11:19:27 ID:FkSKHAgY0
     【片方だけのサンダル】

    たまの連休に来る悪友からの誘いには、心のどこかで嫌な予感がしつつもついついOKしてしまいがちだ。
     心霊スポットに行こうだなんて、退屈な休日を塗りつぶすには格好の材料として魅力的だと考えさせるには十分だったし。
    参加するのは俺と悪友の勇次、それから勇次の彼女の愛理だった。

     向かうは旧日本軍の軍事施設跡地で、主に人体実験を中心とした化学実験を行っていたとかなんとかそれはもうもっともらしい場所だった。結構有名な場所だから知っている人も多いかもしれないが、その山の地下にその施設跡はあるって話だ。

     俺らは学校を終えたその足でその場所へと車で向かった。道中わくわくしながら騒いだもんだが、いざその山に着いてみると実際怖くなかったと言えばウソになる。

     山はいつも不気味さを漂わせている。・・・それはもちろんその日も例外じゃなかったが。

    445: 2/2 2007/03/17(土) 11:21:03 ID:FkSKHAgY0
     俺らは車を付近の駐車場に停め、歩いてその実験場跡に向かった。思えばこの時からだったんじゃないかと思う、愛理の様子が・・・少し変だった。
    上手くは言えないが、まるで夢を見ているような感じだったような気がする。
    実験場跡地の近くまで来て、ぼそぼそと俺と勇次が立ち話をしていると彼女が突然

    「ちょっと散歩にいってくる」

    と、言い出した。
     俺と勇次はトイレにでもいくのか?と聞いたが曖昧な返事をしている彼女に、勇次が「あんま遠くまではいくなよ」と言って二人で彼女の後姿を眺めていた。

     ・・・それが、俺と勇次が見た愛理の最後の姿だった。

     待てど暮らせど彼女が帰ってくることは無く、仕方なく二人で実験場に向かったその入り口に彼女のサンダルが片方だけ転がっているのを見た俺らが、必死に名前を叫びながらさがしたところで愛理が見つかることは無かった。

     その後、警察の捜査が行われているが、彼女はまだ見つかっていない。





     ・・・って俺のバイト先の後輩が言ってた。

    798: 本当にあった怖い名無し 2007/03/20(火) 22:33:40 ID:A81KvBds0
    【ガードレールの看板】

    幽霊とか信じないオレでしたが…唯一体験した話を書くッス。

    ある日の深夜3時半頃、当時付き合ってた彼女とケンカをして、オレは彼女の家を出ました。頭を冷やすつもりでブラーッと散歩してたんです。
    すると、とある小さな交差点に差し掛かったところで、交差点のガードレールにもたれて地ベタに座っている人影が見えたんです。見た感じスーツを着た若い男性。うつむいていて顔は見えねぇです。

    「酔っ払いかなぁ」などと思いながら、その男性を横目に通り過ぎようとしたところ、「い…てぇ…」とうなされている様な声が聞こえてきました。
    「コレはひょっとしたら何かあったのでは…」と思い、「大丈夫ッスか?」と声をかけました。しかし、こちらに対する反応は無く、「ん…ん…」とうなされています。
    このまま置いて帰るのも無責任なので、警察に電話してポリスメンに来て貰おうと思いました。

    携帯をポケットから出し、電話をかけようとしたところで…おらんのです。ついさっきまでそこにいた男性がおらんのですよ。
    その時は怖いというよりも、キツネにつままれたというか「ポカーン…」という感じでした。
    しかし、ふとガードレールの端に目をやると、「死亡事故現場」の看板が…。その時、頭の中で「テレビとかだとこの後、後ろに立ってるなぁ…」などとシナリオを勝手に想像してしまい、
    ガクブルしながらも、超ダッシュで彼女の家へ帰りました。

    ししまい


    801: 本当にあった怖い名無し 2007/03/21(水) 03:08:55 ID:YJQu4zCeO
    >>798
    シンプルで怖い
    劇場霊
    小市慢太郎


    903: 喪服の貴婦人 2007/03/21(水) 23:58:20 ID:KxU07LWCO
    【黒い貴婦人】

    俺の妹は霊感が強い。
    とゆうかそうゆう家系らしい。
    俺が16の時だから妹が中2の時の夏だと思う。
    もうすぐ夏休みとゆう時期だった。
    勉強が嫌いとゆう理由でDQN高校に通っていた俺は、遅刻しているにも関わらず喫茶店で小説を読んでいた。
    冷房のよく利いた店内は天国のようで、一歩外に出ればヒートアイランド。工事現場では汗を流しながら土方が仕事をしていた。
    地獄の釜を開けた様なとはよく言ったもので、結構な酷暑でTVでも記録的とゆう言葉を記録的に安売りしていた。
    こんなに熱い日はあらゆる異常が起こりやすいのかも知れない。
    アスファルトの熱で歪んだ景色は現世との境目があやふやになっているのかも。
    俺は結局学校をさぼりバイト先のファミレスへ向かった。
    おばはん達の濁声の苦情に苦笑いを返しつつ、苦行を乗り越えた体で家路につく
    駅前を通ると噴水に黒ずくめの女の人が腰掛けていた。
    多分喪服だと思う。
    キリスト方面の。顔が隠れるベール付きの帽子とドレス。
    外人さんかな、と思いながら見ていると目があった気がした。
    慌てて会釈をして通り過ぎた。
    視界の端で、上品に微笑み会釈を返す黒い貴婦人の姿を見た気がする。

    905: 黒い貴婦人 2007/03/22(木) 00:05:37 ID:KxU07LWCO
    やはり目が有って会釈をすると微笑みと会釈が返された。
    俺は何となくいい気分で家に帰った。
    愚かにも



    家へ帰ると妹がリビングのソファーで横になっていた。
    足下には飼い犬三匹が眠っていた。
    うちは両親とも共働きで夕飯は俺が作ることになっていた。
    しかしその日は珍しく妹が夕飯の用意をしたらしい。
    テーブルの上にはすでにカレーが置かれていた。
    珍しいな。遅くなって悪かったな。
    妹はテレビのリモコンをいじりながら言った。
    お兄ちゃんさあ



    あんまり知らない人に関わらない方がいいかもよ

    そのときは意味が分からなかった。
    妹が意味分からないのはいつもの事なので聞き流していた。やはり俺は学校をさぼり喫茶店で三島由紀夫を読んでいた。
    七時の閉店時間までコーヒーと軽食で粘り、外へ出ると辺りは薄暗くなっていた。
    ポツポツと雨が降り出した。
    ほんの小雨だった。喫茶店に置いていかれた傘を借り家路を急ぐ。
    駅前の噴水を通りかかると、昨日と同じように喪服の女性が座っていた。
    雨に打たれながら。

    俺は立ち止まり、女性の上に傘をかざした。

    女性がベールに隠された顔を上げる。
    アップにした後れ毛がブロンドで、やはり外国の人だったかと思った。

    906: 黒い貴婦人 2007/03/22(木) 00:07:32 ID:z8xRvYYwO
    濡れますよ。
    俺が言うと女性はベールに隠された顔で穏やかに笑った。
    優しいのね
    たぶんそんなことを言ったんだと思う。
    雨の中何をしてらっしゃるんですか
    人を待ってるの。でもその人は来ることは無い。
    正直なところ、ブロンドの喪服の年上女性と一夏の恋を期待していたのは否定出来ない。
    もうあの人にお別れを言うべき時期なのかも知れないわね。
    女性は立ち上がると傘を持った俺の手をそっと握った。
    冷たかった。
    あなたはこの町の人かしら?
    はい。
    ○○墓地へ行きたいの。
    彼女は大きな外人墓地の名を告げた。

    907: 黒い貴婦人 2007/03/22(木) 00:08:37 ID:z8xRvYYwO
    次第に強さを増す雨の中を俺は外人墓地へ向けて歩いていた。
    少し遠回りになるが家と方角は同じだ。走れば十分ほどの霊園の一角にその外人墓地はある。
    傘を彼女に渡し、俺は雨に打たれながら歩いた。
    夏とはいえ夜も深さを増し、雨も降っている。
    まばらにしかない街灯がやけに頼り無く見えた。
    あなたはこの辺りの人かしら?
    ええ。歩いても近いですね。墓地からも遠く無いです。あっ。見えましたね。
    俺が指さす方向に大きな外人墓地が見えた。
    映画で見るような石版の墓が規則正しく並んでいる。
    ここです。
    俺は言いながらスケベ心もあり彼女の顔を盗み見た。
    顔に掛けられたベールは思いのほか厚いのか、街灯の真下でも彼女の鼻先から上を見る事は出来なかった。
    顎のラインや輪郭、鼻の形なんかは外人さんだけあってかなり整ってた。相当美人なんだろーなと予測。
    ありがとう。
    彼女はそれだけ言うと傘を俺の手に返した。
    風邪を引いてしまうわ。今日はありがとう。こんな町にもあなたみたいな優しい人がいたのね。
    実は下心ありありだったなんて言える筈もない。
    この時点で俺は彼女に好感を持っていた。落ち着いた物腰や涼しげな雰囲気。なにより美人。

    908: 黒い貴婦人 2007/03/22(木) 00:09:43 ID:z8xRvYYwO
    しかもスタイル抜群のパツキンの貴婦人(といっても三十路には差し掛かってないと思う。外人は老けて見えるから案外20代前半かも)。
    雨の中の出会い。
    ロマンティックじゃないか。
    正直なところ淡い恋心のようなものもほのかに抱き始めていた。
    俺は健全な高校生で、DQN高校で馬鹿だった

    909: 黒い貴婦人 2007/03/22(木) 00:11:57 ID:z8xRvYYwO
    彼女は雨に濡れながら墓地へ続く階段に足をかけた。
    意を決して彼女の横に並ぶ。
    傘を彼女の上に。
    彼女はびっくりした様に俺を見上げた。
    危ないから墓参りが終わるまでつき合います。
    俺が言うと彼女は驚き、少ししてから微笑んだ。
    KOされそうな微笑みだった。
    本当に…優しいのね。
    彼女はそう言うと傘を持つ俺の手の上に両手を重ねた。
    雨に濡れたその手は冷たかった。
    別に優しい訳じゃなく、あくまで下心有りだったのに。



    俺と彼女は密着したまましばらく歩いた。
    彼女は俺に身を預けるように密着している。
    舞い上がりきった俺は彼女の話もほとんど右から左に抜けていた。
    この町にいい思い出なんか無かった。
    そんなことを言ってた気がする。



    しばらく歩き、彼女は目的の墓の前で止まった。
    周りに比べると比較的新しい墓の様だ。
    でも墓石なんてそうそう風化するもんじゃないから、周りの墓が古いだけなのかも知れない。
    彼女は石版の上に花を一輪乗せると、多分名前が掘ってある部分を指でなぞり、言った。
    なにひとつ幸せな記憶も無く死んでいった人は、なんの為に生まれてくるのかしら。
    俺は何も言えず。阿呆のように、ただ立ちつくしていた

    910: 黒い貴婦人 2007/03/22(木) 00:13:06 ID:z8xRvYYwO

    今日は優しくしてくれてありがとう。
    墓地の入り口前で、彼女は俺の傘を握り言った。
    こんなに優しくして貰えたのは初めて。
    あなたのことは忘れないわ。



    傘は彼女にあげた。家は走れば近いし、雨も止みそうだった。
    別れてから坂道を少し歩くと、携帯の着信音が鳴った。
    坂の下の墓地を振り返ると、彼女は街灯の下で微動だにせずに俺を見送っていた。
    妹からのメールだった。
    遅くなっちまったから怒ってるだろーな。
    メールを開いた。

    走って帰れ。

    命令メールだった。腹を空かしているのだろう。
    続いてまた妹からメールがきた。
    なんだ?お使いかな?




    絶対に振り返っちゃだめ




    耳のすぐ後ろで衣擦れの音が聞こえ、かすかに香水が香った。
    全身の毛穴が開き、パニックとともに冷たい汗が噴き出した。

    911: 黒い貴婦人 2007/03/22(木) 00:17:01 ID:z8xRvYYwO
    俺は全力で走った。
    気持ちばかりが先を走るが体はイメージ通り走ってはくれない。
    全身が泡立つのを感じる。
    怖いなんてもんじゃない。
    捕まれば終わりだと漠然と確信する。
    わたし優しくされたの初めて
    耳元で聞こえる筈の無い声が囁く。
    わたしと…
    優しく肩を掴まれた。赤いマニキュアの指が見えた。
    さらに耳元で囁く
    一緒に…
    俺はかすれた悲鳴を上げてそれを振り払い、走り続けた。

    うふふふふふふふ

    笑い声があちこちから聞こえた。
    あまりの恐怖で気が狂いそうだった。制服のシャツの背中を何本もの手が掴もうとする。背中に爪が食い込むのが分かった。
    なにかが背中に触れる度に、恐怖が皮膚の下を這い回る。
    頭の先から爪先まで冷たい汗で濡れていた。
    不意に頭のすぐ後ろで息を吸う気配がした。

    つ か ま え た

    肩の上から回された腕が俺の胸の前で合わさる。
    赤いマニキュア。
    右の人差し指だけ色が無かった。
    後ろを振り向かずとも視界の端で彼女の横顔を見た。
    涼しそうな唇が三日月のように吊り上がる。
    きゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃ!

    甲高い笑い声が頭で鳴り、意識が遠くなるのを感じた。

    912: 黒い貴婦人 2007/03/22(木) 00:18:29 ID:z8xRvYYwO
    右肩ににガツンと衝撃を受け、呼び戻された。
    目の前には布に巻かれた棒のようなものを持った妹が立っていた。
    うふふふふふふふ…
    笑い声が遠ざかっていくのが聞こえた。
    お兄ちゃん大丈夫?
    妹が俺の後ろ遙か遠くを睨みながら言う。
    右肩に激痛が走った。
    …なあ、お前、俺を殴った?よな?
    妹は持っている棒を後ろ手に隠した。

    913: 黒い貴婦人 2007/03/22(木) 00:19:56 ID:z8xRvYYwO
    怯えながら家へ帰る途中、妹が言った。
    わたし言ったよね?余計なものに関わるなって
    霊感が異様に強い妹は慣れたもんで、怯えた様子は微塵もない。
    あんな血だらけの女に話しかけるなんて、お兄ちゃん女ならなんでもいいんじゃないの?

    え?いま、なんて言った?
    血だらけ?
    あんなに綺麗な人だったじゃないか

    恐る恐る、彼女に掴まれたシャツを見た。
    腕の形の赤い跡が付いていた。
    彼女が触れた右手にも、べっとりと血のようなものが付いていた。
    ぞっとして服を脱ぎ、シャツの背中を見てみると幾つもの赤く擦り切れた手形。
    気が遠くなった。爪が…
    背中の手形の一つ、ちょうど人差し指に当たる部分に、剥がれ落ちた真っ赤な爪が食い込んでいた。
    うっ…
    俺はアスファルトに吐き、目眩を覚え気を失った。

    914: 黒い貴婦人 2007/03/22(木) 00:21:20 ID:z8xRvYYwO
    次に目が覚めると見慣れた天井。
    自分の部屋だと気づき、溶けそうなくらいの安心を覚える。
    小さな話し声が聞こえ机に目をやると妹ともう一人、妹と同じ制服を着た女の子が話し込んでいた。
    二人してなにかを見ているようだ。
    ね…ぐいよね…おにいさん…
    わたしも…にいちゃ…たい…は…おもわな…
    声をかけようとしたが眠かったので眠った。


    淡い夢の中で喪服の女が部屋のドアから顔を半分出して俺に微笑んでいた。
    不思議と恐怖は無かった。
    彼女が囁く。
    何一つ幸せじゃなかった人間は天国へ行けるかしら?
    わからない。
    うふふ。うふふ。
    笑いながら顔を覆っていたベールを上げる。
    ベールに隠されていたのはとても美しい顔だった気がする。
    だが一筋、そしてまた一筋と、彼女の頭から赤い滴が滴り落ちる。
    耳、鼻、目、口、あらゆる穴から血の滴が流れ始める。
    瞬く間に美しい顔は血のラインで真っ赤に汚れた。
    あなたのことがとても気に入ったわ。
    しゃべる度に、唇が閉じる度に、ぴちゃぴちゃと溢れ出る血液が飛び散る。
    やめてくれよ。嬉しくないよ。

    うふふふふふふふきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃ

    彼女は涼しい顔をして、壊れたように笑った。

    915: 黒い貴婦人 2007/03/22(木) 00:24:11 ID:z8xRvYYwO
    翌朝疲れきった体のまま目を覚ますと、机の上に何かが置いてあった。
    達筆で書かれたお札だった。
    ああ、昨日来てたのはあの子だったのか。
    妹の同級生に神社の娘が居る。可愛い子だったが妹の友達だけあってなかなかの曲者とゆう印象だ。
    お札の下に何冊かの雑誌が綺麗に角を揃えて置かれていた。
    俺は気が遠くなった。

    秘蔵のエロ本だった。

    ふふふふふふふ

    ビクッとしてドアを見ると、顔を半分だけ覗かせた妹が笑っていた。

    お兄ちゃん変態…

    妹が感情の無い目で言い、俺はただなんでもないふりをした。

    これからしばらくの間、夏が来る度に黒い貴婦人に怯えることになる。
    いまだに彼女の笑い声が耳にこびりついて離れないでいる。
    解決したと思っていたが甘かったのかもしれない。
    なんかさっきから家鳴りがひどいんすよ。酒飲んで寝ます。
    参ったな。妹いま居ないんすよね。犬がドア引っかいてるし。
    明日相談してみます。とりあえず犬と寝ます。
    おやすみ

    936: 本当にあった怖い名無し 2007/03/22(木) 01:40:54 ID:iYs1vEG/O
    >>915
    なかなか面白かった

    122: 1/3 2007/03/09(金) 00:25:15 ID:KY3/8wVw0
    【嫉妬心がヤバすぎる女】

    霊感なんてないもので死ぬほど恐ろしいオカルト体験はないんだが
    死ぬほど洒落にならなかったことならあるお。

    自分は6年制大学に行ってて彼氏(仮名:K)ができた。
    4年前、2年生を迎えた春のこと。
    その時同じクラスの女子で彼氏に1年以上片思いしてる女子(Y子とする)がいた。
    交際し始めて初めてわかったんだが・・・。
    何せY子は自分はじめ他の女子にはKの悪口ばかり言うものだからてっきり嫌いだと思ってたんだが
    それは自分のクラスの女子をKから遠ざけるつもりだったらしい・・・。

    次の日から親友とは言わないがかなり仲のよかったY子が本性をむき出しに。
    田舎もの、口下手(+化粧ベタ)でどちらかというと人付き合いの苦手な自分。
    それに対して人当たりがよく気が利いていて、それでもって控えめで女性らしい印象のY子。
    人当たりのいいほうがどちらかというのは自明。
    なんだか知らないけどあっという間に学年中に変な評判ばら撒かれましたよorz

    そんなこんなで一時ははみごになって食事もひとりぼっちという
    大学生なのにいじめられっこ厨房みたいな日々が数年続きましたが
    5年生になる頃にはそれなりに友達付き合いも復活し、
    彼氏と大喧嘩はしても別れもせず、体も壊さず、先日無事卒業。

    在学中何回かY子が貧血でぶっ倒れたり突然ゲロはいたりしたこともありましたが
    なぜかいつも周りに友達がいるのに『大丈夫?』とか口ばっかりで誰も助けようとはせず、
    なぜか一緒に付き添ったりしてあげたこともあった。
    そういうときにはうるうるしながら『ありがとう』 って言われたりして、
    『Y子で嫌な思いもしたけどまあこの子もこの子で辛かったりするんだろうな』とか
    なんとなくかわいそうになったし、さすがにもう何年も前の話は水に流してくれるかなとか思ってた。

    123: 2/3 2007/03/09(金) 00:26:13 ID:KY3/8wVw0
    だが。
    謝恩会のとき、ロッカーが隣だった女子が教えてくれた。
    わたしのロッカーの上一面に呪いの言葉がマジックでびっちり書かれてたらしい…

    死ねとか調子のるなとかそんなことがぎっちりと。

    その子はテニスラケットをロッカーの上に置いててそれで気がついたらしい。
    気味が悪くて無視してたらしいけどどんどん書き込みがたまっていく。

    それで恐ろしくてたまに自分には黙ってこっそり消しててくれたらしいけど、
    そこまで呪われるって一体何をしたの?て聞かれた。背筋凍った。
    冷や汗かきながら何もしてないって必死で訴えたけど
    何もしてなくてあんなに呪われるわけないでしょって言われてしまったorz

    後日ロッカーをこっそり覗きにいって
    脚立を使ってロッカーの上を見てみたら
    『知らん顔して使い続けやがってめでてーかおして卒業してんじゃねーよぼけが死ね死ね死ね』
    って本当に書いてあった。

    124: 3/3 2007/03/09(金) 00:26:59 ID:KY3/8wVw0
    人間って、怖いよ・・・。
    4年も前でY子自身とっかえひっかえ5人くらいと付き合ってるはずなのに
    なんでこんなに粘着してるんだろう。理解不能。
    というかいつの間にこんなことを、しかも4年間ずっと書いてたんだろう。
    こういう人が亡くなった後も幽霊で残るんだな、と思ったら
    そら幽霊は怖いはずだ、と納得しました。

    余談だが、
    『体も壊さず』と書きましたが、
    自分は本当に風邪はしょっちゅうひくけど大病はしなかった。
    Y子は書いたように突然げろ吐いたり倒れたり鼻血が止まらなくて大学早退したり、
    大きいものでは交通事故とか複数回の入院とか本当にトラブル多かった。
    噂では卵巣も片方摘出したとか言われてたし・・・。

    ずっと可哀想だと思ってて、いじわるも許してあげようと思ってたけど
    さすがにあのいたずら書きを見てからは同情する気になれません。

    143: 本当にあった怖い名無し 2007/03/09(金) 02:58:47 ID:RjxIv7OgO
    >>124さん
    やはり生きてる人間が一番怖いというやつですね。
    乙でした。
    漏れは零感だけど、そのY子さんは何か霊的な害を受けているのかもしれませんね。
    人を呪わば何とやらってやつでしょうか。
    たまに霊障にあう職場の先輩から聞いた話をもとに
    素人が思っただけなので気にしないで下さい。







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    コメント一覧

    1  不思議な名無しさん :2020年08月17日 23:12 ID:UiTygnnt0*
    とゆう、が気になってだめだったな、、
    2  不思議な名無しさん :2020年08月17日 23:16 ID:C62FmI3X0*
    貴婦人?のやつ、言うを『ゆう』って表記するし長いし…

     
     
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