戻る

このページは以下URLのキャッシュです
http://karapaia.com/archives/52294737.html


3万年前のホラアナグマのミイラが永久凍土から完璧な状態で発見される(ロシア) : カラパイア

氷河期のホラアナグマが永久凍土から発見
氷河期のホラアナグマが永久凍土から発見 image by:NEFU RIAEN

 北極圏のシベリア東部、ロシア領のリャーホフスキー諸島の永久凍土で、氷河期のホラアナグマのミイラが2体発見された。2体は母グマと子グマとみられており、別々の氷の壁の中から出てきたという。

 母グマの方は2万2000年〜3万9500年前のものと推測されており、体の軟組織が完璧に残った状態で発見されたのは初めてだという。
スポンサードリンク

永久凍土がとけ、偶然発見されたホラアナグマの母グマと子グマ


 トナカイの遊牧民が偶然発見したというこのクマのような動物は、30万年〜1万5000年前にユーラシア大陸に住んでいた「ホラアナグマ」だ。これまでは骨しか見つかっていなかったので、これは世界的に貴重な発見だという。

 この2体は母グマと幼い子グマと思われ、永久凍土の墓に守られていたせいか、成獣のほうの体の軟組織はほぼ完璧に残っている。研究者たちは、DNAを抽出できるのではないかと期待している。
 
1_e2
発見されたホラアナグマの母グマ image by:NEFU RIAEN

世界的に大きな意味を持つ貴重な発見


 これらの遺骸は、絶滅したマンモスやサイの研究でトップレベルのロシア、ヤクーツクにある北東連邦大学(NEFU)に送られ、さらに詳しく分析される予定だ。

 ホラアナグマの化石はこれまで骨格しか出土しておらず、軟組織まで残る遺骸がそのままの姿で見つかったのは今回が初めてだという。

 研究者のレナ・グリゴリーヴァ博士は言う。

このように軟組織が全身にしっかり残り、内臓もほとんど損なわれていないクマのミイラの発見は、非常に珍しいです。

写真を見てもらればわかると思いますが、鼻先もほとんど損なわれておらず、つい最近まで生きていたかのようです。これまでは、頭蓋骨といくつかの骨しか見つかっていませんので、大変貴重な発見といえます

2_e2
発見されたホラアナグマの母グマ image by:NEFU RIAEN

 今のところ、母グマのほうは、Kargin間氷期(氷河時代のうち氷期と氷期の間に挟まれた比較的気候が温暖な時期)にあたる2万2000年から3万9500年前に生きていたと推測されている。子グマの方はまだわかっていない。

3_e
発見されたホラアナグマの子グマ image by:NEFU RIAEN

 正確な年代を特定するためには発見場所の放射性炭素分析を行う必要があり、現在、NEFUでは包括的な研究のための科学的プログラムを準備中だという。

 シベリアではここ数年、永久凍土がとけたことで、様々な動物の遺骸が発見されている。

References:NEFUsiberiantimes/ written by konohazuku / edited by parumo
あわせて読みたい
死後4万年が経過した更新世の巨大オオカミの完全な頭部がシベリアで発見される(ロシア)


犬?オオカミ?シベリアの永久凍土で発見された1万8000年前の動物の子どもの謎(ロシア)


目覚めさせてしまったようだ。永久凍土がとけて長い眠りから覚醒した生物


永久凍土に埋まっていた3万2000年前の植物を蘇らせることに成功。その秘密を探る研究が始まる


氷河の中から未知の古代ウイルスが発見される(チベット)

この記事に関連するキーワード

キーワードから記事を探す

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
カラパイアの最新記事をお届けします
この記事をシェア :    

人気記事

最新週間ランキング

1位
30915 points
「猫に夫を奪われました」そう語る妻の嘆きを証拠写真と共にご覧ください

「猫に夫を奪われました」そう語る妻の嘆きを証拠写真と共にご覧ください

2020年9月11日
2位
11339 points
あの犬型ロボット「Spot」が手のひらサイズに!動きもそっくりに再現した四足歩行ロボットが販売決定

あの犬型ロボット「Spot」が手のひらサイズに!動きもそっくりに再現した四足歩行ロボットが販売決定

2020年9月11日
3位
8935 points
「私は人間の敵ではない」人工知能が生成した文章が不吉すぎて震えるレベル

「私は人間の敵ではない」人工知能が生成した文章が不吉すぎて震えるレベル

2020年9月10日
4位
7544 points
生まれて間もない我が子を抱きしめながら眠るオオカミのお母さん

生まれて間もない我が子を抱きしめながら眠るオオカミのお母さん

2020年9月9日
5097007424
5位
4105 points
うれしいニュース。死んだ我が子を運びながら17日間共に泳ぎ続けたあのシャチが再び出産。今度の子は元気に育っていた。

うれしいニュース。死んだ我が子を運びながら17日間共に泳ぎ続けたあのシャチが再び出産。今度の子は元気に育っていた。

2020年9月8日
4583630215
もっと読む
スポンサードリンク

Facebook

コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2020年09月17日 20:46
  • ID:byW587480 #

氷が溶けてクマったな

2

2. 匿名処理班

  • 2020年09月17日 20:50
  • ID:Bax.f0tG0 #

後の世代の人は大変そうだけど、とけた永久凍土からこうやってミイラが見つかるのは本当にロマンがある
絶滅した古代の生物をこんな良好な保存状態で見れるなんて

3

3. 匿名処理班

  • 2020年09月17日 21:12
  • ID:Wljj1D150 #

永久凍土が溶けてるってのは…
多分よろしくないですよね?

4

4. 匿名処理班

  • 2020年09月17日 21:21
  • ID:fM5ULuiy0 #

物体X

5

5. 匿名処理班

  • 2020年09月17日 21:36
  • ID:LiBKvtoo0 #

ホラーなグマ

6

6. 匿名処理班

  • 2020年09月17日 21:54
  • ID:BrDP1fGD0 #

この間、マンモス見に行って
来たけどそんな風に
そのうち日本にもくるかな。
状態良い発見は良いんだろうけど
そんなに永久凍土が溶けて
大丈夫なのかな。

7

7. 匿名処理班

  • 2020年09月17日 22:11
  • ID:DbhF.4TS0 #

こういうの見ると必ず未知のウイルスが心配とか言う輩が出てくるが、いやいや、細菌はともかく、ウイルスは死んだ細胞にはいないから。

8

8. 匿名処理班

  • 2020年09月17日 22:19
  • ID:VSUCZO710 #

こういうの見ると、すごい!より先にちょっと切なくなる。

9

9. 匿名処理班

  • 2020年09月17日 22:51
  • ID:.rYWalJT0 #

ホラ、アナグマかと思ったけど洞穴熊か

10

10. 匿名処理班

  • 2020年09月17日 23:20
  • ID:TlnO3vCY0 #

全身くまなく調査されるんだろうな

お名前
スポンサードリンク
記事検索
月別アーカイブ
スマートフォン版
スマートフォン版QRコード
「カラパイア」で検索!!
スポンサードリンク