夫婦の古代戦士の遺骨がシベリアで発見される image by:archaeology.nsc.ru
シベリア南部で男性戦士と女性戦士が仲良く並んで埋葬されている2500年前の墓が発見された。2人は夫婦で30代くらいとみられている。
その足元には赤ちゃんと、うずくまるように横たわる年老いた女性の骨があった。老女は死後、ふたりの世話をする召使だったのではないかと推測されている。
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シベリアで発見された夫婦戦士の墓
女性と男性はそれぞれが使っていたであろう武器と共に埋葬されていて、ふたりは夫婦で古代戦士だったと考えられる。
古代シベリアの女戦士たちは、だいたいは弓矢と共に葬られたが、この女性の場合は柄の長い手斧や戦斧、短剣と一緒に埋められていた。
女戦士と共に埋葬されていた武器 image by:archaeology.nsc.ru
ロシア、ノボシビルスク州立大学の考古学者、オレグ・ミトコ博士は言う。
女性の墓の副葬品として、接近戦の武器があったことは非常に興味深いです。これは極めて珍しいことで、彼女は戦斧を使っていた、まぎれもない戦士だったのです
男性のほうは、斧と青銅の短剣をそれぞれ2本づつ、さらに青銅の鏡も持っていた。本物の青銅の武器が副葬品として納められていた見事な墓といえる。
戦士カップルと赤子、老女が埋められていた墓 image by:archaeology.nsc.ru
墓には赤ん坊と老女の遺骨も
墓には他に、赤ん坊と老女の遺骨もあった。
60代と思われる老女は、歯が2本折れていて、持ち物は小さな陶器の瓶と壊れた櫛だけだった。赤ん坊の骨は墓のまわりに散らばっていたが、これは齧歯類の仕業だろう。
さらに大きな陶器の器も置いてあり、これには食べ物がたくさん入っていたと思われる。残っていた骨からヒツジとウシだということがわかった。
彼らが戦闘で死んだことを示す傷跡は認められなかった。もしかしたら全員、同じ時期に感染症のような病気で亡くなって、一緒に埋葬されたのかもしれない可能性もあるとみて、現在調査が進められている。
遺骨が発見された墓地 image by:archaeology.nsc.ru
4人は、スキタイ文明の一部だったタガールの出身だ。現在の南シベリア、ハカシア共和国にあたる。
古代ギリシャの歴史家ヘロドトスは、スキタイとその若い女戦士たちのことを詳しく記述している。
医師のヒポクラテスは、スキタイの若い女性は結婚後は戦士を辞めただろうと言っているが、この墓の女性は、戦士と家庭を両立していたようにもみえる。
この地域では、男も女も暴力や敵対行為に参加していた。当時、暴力は問題を解決する合法的な手段として受け入れられていたのだろう。
References:archaeology / archaeologynewsnetwork/ written by konohazuku / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
60代の女性は殉死なのか
2. 匿名処理班
なんか写真がおどけてるみたいで可愛い、左側の小っさい方が旦那さんだったりしてね。
3. 匿名処理班
この家族にどんな物語があったのか知りたい
されど永遠に知られることはない
4. 匿名処理班
へんじがない、ただのしかばねのようだ。
どうのつるぎを手に入れた!
どうのオノを手に入れた!
…勇者って結構クソだよな。
5. 匿名処理班
>>当時、暴力は問題を解決する合法的な手段として受け入れられていたのだろう。
当時というか、今も変わってないね。
受け入れられているかどうかは別として。
6. 匿名処理班
おばあちゃん、よく60代まで生きたなあ
7. 匿名処理班
ラピュタのドーラおばちゃんみたいな、肝っ玉母ちゃんだったのかな。
いつの時代も強い女性ってのは何故か同じ強さの男性よりもカッコよく見えるなあ
8. 匿名処理班
どんな人たちで、どんな会話して、どんな人生だったのか。
いくら知りたくても絶対知れないってもどかしいな。
9. 匿名処理班
「足裏マッサージしますねー」
「いやー」
「ひええええ」
とやっていた瞬間にみんなで死んでしまった説を提唱したい
10. 匿名処理班
夫婦喧嘩の末に…!って勝手に思ってしまってごめんなさい
11. 匿名処理班
※10
いや、きれいな想像ばかりで無く、可能性としてはその辺りも追求出来るならするべきですよ。
それに殉死の線も捨ててはいけないですね。