映像テクノロジーの進化は便利になった反面、本物のUFOを探す夢追い人にとっては紛らわしいものとなってしまった。
検索すれば「宇宙人の侵略」、「UFOの出現」と題された動画はいくらでもヒットする。もちろんすぐにフェイクと見分けがつくものもあるが、中にはかなりリアルで、もしかしたら本物かもと思いたくなる作品もある。
さらに今回、手軽にUFO映像を作れるツールが開発されたようだ。アメリカ・ミシガン大学アナーバー校の研究者ゾウ・ジャンシア氏が開発したAIは、空の景色に溶け込むように違和感なくUFOやら惑星やらを合成することができるという。
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Dynamic Sky Replacement and Harmonization in Videos
既存の動画の風景になじむように物体を合成できるAI
AIは、ニューラル・ネットワークで膨大なデータベースから学習したパターンをもとに、動画の空の部分を入れ替え、さらに周囲の風景と馴染むように全体の色合いを調整してくれる。
そうして生成された巨大UFOや空を浮遊するお城は、まったく違和感なくまるで本当にそこにあるかのよう。ハリウッドの映画と遜色のない出来栄えと言えるだろう。
完全に視覚ベースなので、どんな機材で撮影した動画でも使えるし、オンライン処理もオフライン処理も可能。サンプルとして公開されている動画は、普通のスマホや車載カメラで撮影したものが素材であるそうだ。
自動運転車に役立つ技術
また副産物として、天候やライティングの変換にも応用することができる。これは自動運転車に有効な技術であるという。
自動運転車は道路の状況を記録したビッグデータをもとに周囲の状況を認識しているが、そうしたデータには限りがあり、複雑な現実世界とは必ずしも一致しない場合がある。
そうした食い違いは、たとえば夜間や雨天の走行時に顕著となり、自動運転システムに問題を生じさせる恐れがある。今回のプログラムは、そうした食い違いを埋める手助けができるそうだ。
プログラムはこちらから入手できる。あとはUFOや浮遊城を登場させたい動画をAIに与えてやるだけだ。
こんなツールが出回ってしまったら、もし本物のUFO映像だったとしてもフェイク認定してしまうかもしれないじゃないかと思うと心配。
References:SkyAR/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
デイープフェィクに比べるとそれほどでも。
(あれはアレで問題だけど、技術の話)
2. 匿名処理班
矢追 純一や韮澤潤一郎にこのソフトで作ったフェイクUFOを
見せて本物かどうか判断させたい