古代遺跡ポンペイから当時の屋台を発見!image credit: youtube
アジアでも古くから独自の屋台文化があり、現在もそれは続いているが、今から2000年以上前を生きた古代ローマの人々も屋台好きだったようだ。
79年の火山噴火により壊滅的被害を受け、死の灰に埋もれたイタリア南部の古代都市ポンペイで、考古学者らが当時の住民らが利用していた「屋台」を発掘していたことが、このほど発表された。
美しい壁画が描かれた屋台カウンターには容器や食べ残しも発見され、当時の人々が食していた様々な肉の成分も検出されており、科学者らはこの発見が優れた資料となることを明かしている。『CBS News』などが伝えた。
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Il Termopolio della Regio V, Pompei
ポンペイの遺跡から屋台を発掘。当時の食べ物も
12月26日、古代都市ポンペイの遺跡を発掘する考古学者チームは、カラフルなフレスコ画で覆われた屋台を去年に発掘していたことを発表した。
Noticias: @nytimes: 'Ancient leftovers from Pompeii were found this month after archaeologists excavated a thermopolium, or snack bar. A soupy concoction of snails, sheep and fish appears to have been all the rage in 79… pic.twitter.com/ycyMol78Hi, see more https://t.co/mT9TzH3WiC
— Toto (@hipolitototo) December 27, 2020
「テルモポリウム」と呼ばれていたこの屋台の床は、防水テラコッタタイルで作成され、カウンターの壁はタツノオトシゴに乗った海の妖精やマガモ、オンドリ、犬などカラフルな装飾画が施されてある。
また、壁画の一部には屋台で働いていた者もしくは所有者をからかうような卑猥な言葉も残されていたようだ。
屋台の容器からは、アヒルの骨や魚、カタツムリ、ヤギ肉、牛肉などの成分も検出されており、こうした食物の残骸は、当時ポンペイに住んでいた人々の食の多様性の理解に繋がる重要な資料となると考古学者は述べている。
ポンペイに住んでいた人は屋台での食事を習慣としていた?
屋台の近くには、ブロンズのパテラ(盃)や献酒ボウル、複数のフラスコ、アンフォラ、オリーブオイルディスペンサーなども発見されたという。
調査では、ナポリ近郊の13000の古代都市に住むローマ人は、当時屋台で食事をすることを習慣にしていたとみられ、ポンペイだけで80を超える屋台があったことが判明している。
ヴェスヴィオ山の大噴火によりに火砕流に飲み込まれた古代都市ポンペイでは、当時1万2000人が暮らしていたとされているが、時速100km以上という猛スピードの火砕流に襲われ、街も人も一瞬で生き埋めとなった。
そのため、考古学者にとって豊富な資料が残っている場所となっており、現在も遺跡跡では約3割がまだ発掘中で、作業は続いている。
ちなみに、今回の屋台の壁画に描かれていた犬よりもかなり小さいサイズの犬の骨格も発見されており、発掘チームの人類学者ヴァレリア・アモレッティ氏は「ローマ時代に犬の繁殖のための品種改良が行われていた可能性がある」と示唆している。
written by Scarlet / edited by parumo
追記(2020/12/27)本文を一部修正して再送します。
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コメント
1. 匿名処理班
ポンペイに関しては「死の灰」という呼称が適切なのかい?
通常一般の文脈では「死の灰」は核兵器の用語だろうに
違和感が凄い
2. 匿名処理班
タイルで描かれた絵とかとかもあったけど
芸術的なレベルの高さに驚く
3. 匿名処理班
えらい鮮やかだな!
修復したとかじゃなくこのままで出土したのか?
ニワトリ絵画レベルの出来だし保存状態良過ぎでビビる
4. 匿名処理班
時速100キロか…
噴火初期の段階で逃げた人たちは生き残れたのかな
5. 匿名処理班
これほど写実性の高いフレスコ画が日常生活の場に描かれていたとは… 驚愕。