世界の新型コロナウイルスワクチン接種状況 Our World in Data
新型コロナの大流行は未曾有の危機であったが、人類はわずか1年という短期間でワクチンを完成させるという離れ業をやってのけた。様々な変異種も確認されたようだが、幸いなことにファイザー社のワクチンは、南アフリカと英国で出現した突然変異に対しても効果があるとする研究結果も報告されている。
しかしある意味ここからが本番と言えるかもしれない。完成したワクチンを世界中の人々に迅速に送り届けるのは、開発とはまた違った困難をともなう作業だ。しかもワクチンは約4週間の接種間隔をあけて2回接種しなければならない。多くの人が接種し終わるにはかなりの時間を要するだろう。
では現在、世界ではどれくらいワクチン接種が進んでいるのか?『Our World in Data』では、世界のワクチン接種状況を地図やグラフにして随時公開している。
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これまでの累計予防接種回数
「Our World in Data」で公開されているデータによれば、1月11日現在(データは随時更新される)、ワクチンを接種した人が一番多いのは中国で、21年1月9日の時点で900万人。次がアメリカで669万人(8日時点)。新型コロナの予防接種を受けた人の総数では、この2国が先行している。
なおワクチンによって免疫を得るには2度の接種が必要になる。このデータは予防接種を受けた回数であって、免疫を獲得した人のものではない。1回の接種を1としてカウントしている為、総接種者数と一致しない場合があることをあらかじめ理解しておこう。
新型コロナウイルスワクチン累積接種回数
地図で見るワクチン接種状況
100人あたりの予防接種回数
100人あたりの接種人数という視点から見ると、今のところ圧倒的に多いのはイスラエルで、100人中およそ20人が予防接種を受けている。
この基準でもアメリカは約2人で2番目に多く、デンマークとイギリスがそれに次ぐ。一方、ワクチン接種人数では一番多かった中国は7位にまでぐっと下がる。
1日あたりの予防接種人数
1日あたりの予防接種人数を週平均で見てみると、中国がおよそ50万人(1月11日時点)で、アメリカが40万人(1月8日時点)を超えたところ。どちらも接種人数は毎日順調に増加している。
一方、100人あたり予防接種数が圧倒的に高かったイスラエルは、少なくともここ数日はワクチン接種人数が鈍化傾向にあるようだ。
使用が承認されたワクチン
製薬会社の献身的な努力によって驚くべき速さで完成した新型コロナのワクチン。中でも最初に第III相臨床試験まで漕ぎつけたのは、ファイザー社とバイオンテック社が共同開発したワクチンで、すぐにモデルナ社が続いた。どちらも世界初となる「mRNAワクチン」だ。
だが世界の政府によって承認されたワクチン は、ファイザー社・バイオンテック社のものが圧倒的に多く、36か国中32か国で承認されている。
ロシアとアルゼンチンでは、ロシアの製薬会社が開発した「スプートニクV」というワクチンの緊急使用が昨年12月に認められたが、その時点で第III相臨床試験は完了していない。
また中国でも大晦日に2種のワクチン候補が限定的な使用が承認されている。
現時点で米ノババックス社、米ジョンソン&ジョンソン社、露ベクター研究所といった企業や研究所が、いくつかのワクチンを第III相臨床試験で試している最中だ。
iStock
予防接種の対象グループ
ワクチンが流通し始めた今の最初の段階で、優先的に予防接種を受けられる人たちは、国によって多少のばらつきがある。
基本的に初期段階では、「重要な作業を担う人」「新型コロナに特に弱い人」「高齢者」の3グループがまず対象だが、どのグループからワクチン接種を始めるのかは国によって違う。
アメリカでは「重要な作業を担う人のグループ」「新型コロナに特に弱いグループ」が優先されているが、フランスやスペインといった国では「重要な作業を担う人のグループ」を優先、カナダなどではいずれののグループも対象としている。
日本では2月下旬からワクチン接種が始まる予定だが、年末の報道によれば、政府は優先的に接種する対象を3段階に分け、医療従事者や高齢者、基礎疾患がある人など約5000万人を最初に接種する方針だという。
ワクチンによって獲得される免疫がどの程度持続するのか今の時点で確かなことは不明だが、集団免疫を獲得するのであれば、人口の4分の3程度が予防接種を受ける必要があるとのことだ。
References:ourworldindata/ zmescience / written by hiroching / edited by parumo
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コメント
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4. 匿名処理班
症状を和らげる働きはあるけど、感染自体はするし、他者に感染させなくするわけでもない
つまり、感染自体の広がりを抑制する効果はないわけで
打った人だけが安全になるワクチン(副作用がないとは言いきれない)
5. 匿名処理班
政府は早くしろよ。go to再開とかアホすぎる
6. 匿名処理班
値段はいくらなんだ?
国民全員が摂取できるようにならないと
コロナ終焉はないと思う
7. 匿名処理班
様々な変異種が現れているのを見ると、今後、インフルエンザの様に「毎年予防接種」するのではと、思いますね。
8. 匿名処理班
薬と食べ物でアレルギーがある人間は、打ったらどうも無事ではすみそうにない。しかし職業的に打たないわけにいかなくなりそうで、どうしたものかとこないだから考えてる。
あと、日本特有の事情として花粉症というアレルギーの、それもかなり重い人がけっこういるわけだけど、そこの治験はどうするんだろう。
9. 匿名処理班
急ぐんだろうけど、若い人には安全性と効能が確立されてからの接種をと思ってしまう
こういうのって本当にしんどい