89そこに趣味で作ったフィギュアを投稿し、第51巻の大賞に輝いた衣笠哲史(きぬがさ・さとし)さんは、そのとき持病が悪化して働けない状態だった。そんな彼を救ったのは尾田栄一郎先生からの色紙と仲間の存在だった――



・趣味で作った『ONE PIECE』フィギュアをJCに投稿したら、尾田先生に大絶賛され本当にプロになっちゃった男、原型師・衣笠哲史



――そこからどういう経緯でプロの原型師に?

衣笠 フィギュアを作っているうちに徐々に(体調も)回復してきて、飛び込みでアマチュア原型師の展示会に出展したところ、そこで友達ができたんです。そして彼らにプッシュされ、「ウソップギャラリー海賊団」に投稿したら、大賞に輝き、尾田先生の色紙までいただきました。

大好きな尾田先生に「プロ並みの腕前」とコメントをいただき認めてもらえたことが自信につながって、趣味でいいと思っていたフィギュア制作のプロになることを考え始めました。しかし、当時のフィギュアのイメージといえば美少女フィギュアで、私は美少女フィギュアが作れないから無理だと思っていたんです。

それでもフィギュアを作り続け、くじけそうなときは色紙を見て奮い立たせていました。そんなあるとき、展示会に来ていた人から、今の会社(*衣笠さんが所属する株式会社GB2)の取締役で原型師の長汐響(ながしお・きょう)さんを紹介され、最初はバイトとして手伝い始めました。

――そこでプロ集団に入ったんですね。どうでした?

衣笠 想像とは違う世界でした。GB2のやり方はまず骨を作るんです。そこに筋肉をつけて、肉や皮膚をつけていく。見えるままを作るのではなく、人の体をしっかりと作るんです。

それまでの自分の作り方との違いに驚くと同時に、先輩方の職人技に惚(ほ)れ、プロの原型師を本気で目指し始めました。教え子や友人たちのおかげでここまで立ち直ることができたと思っています。





・いい話でした。
こう言うの聞くと、自分の置かれた環境に言い訳して何もしない事は恥ずかしい事だな、と思います。

・読んでるだけでなんだかワクワク興奮しちゃいました。すごいなぁ。元々が、子供たちに「ルフィ作って」と言われたのがきっかけと言うのが、この方の人の良さが伝わって来ました。
ウソップギャラリー海賊団に載るだけでもすごいのに、大賞、そしてプロに、って、本当すごい。この方の努力の賜物なんだな。

・元来のヲタで無かったと言う事実に衝撃を受けますね
ワンピースと言う作品がヲタの枠を越えて高評価される作品で有ったからこそ
学校の先生とヲタ文化の融合が発生したのでしょうね

・腐らないで前向きでいたからこそ勝ち得た現在でしょうね。
当然努力も才能もあるのでしょう。
良い話です。

・この人の大賞とったときのは見たな。モノクロながら細かいところまで再現してるんだろうというのが想像できて、すごいやつなんじゃと思った覚えがある。
他にも、あそこで大賞とった人が漫画家になったというのもあったんじゃなかったっけ。どこかの巻に描いてあったはず。
アシスタントからトップクラスの漫画家にまで上り詰めた人の企画から、漫画家の雛や違う職業の職人が生まれる。どこかで育てられた人が、育てる土壌になっている。因果が巡っている。

・好きな作品の原作コミックスに載ったら、そりゃすごく嬉しいし、サイン色紙までもらえるとは…
人間、褒められると伸びるってのは本当だね

・バギーのポージングがいいね。
フィギュアにはあまり関心がなかったけど、これは欲しいな。

・この人の作品が掲載されたのを見た事がある気がします。
ジャンプの後ろのページですよね。
凄いと当時感銘を受けていました。作者の背景が知れて嬉しいです。

・アニメでは原作画の細かい描写が死んでますよね…。
所詮、フジテレビなんで上層部は原作やファンへのリスペクトは皆無でしょう。
残念なビジュアルに悲しくなるときもありますが限られた予算で熱位持って毎週放送してくれる担当スタッフさんには感謝てすね。