347 名前:おさかなくわえた名無しさん[] 投稿日:03/06/02(月) 13:25 ID:5uUCYBF1
お酒とエコーの煙草、歌が大好きなじいちゃん。
小さい頃夏休みといえばいつもじいちゃん家だった。
小学校高学年ぐらいから、親や親戚などといるのが恥ずかしく思え
「じいちゃんちにはリンスがないから行かない」とか
訳のわからない、今思えば意地悪なことを言って
あまり家に行かなくなった。
高校卒業後東京に行きたいと言った私の味方をしてくれ、
周りを説得してくれたのはじいちゃんだった。

年に一度位帰省し、一度だけじいちゃんと焼酎を飲んだ。
普段は飲まないようなお茶で割った焼酎。
無理して飲んだ。
じいちゃんは一緒に飲んだことをすごく喜んでくれた。
ご機嫌で十八番の「みかんのはな」二人で歌った。
お酒には自信があったが
じいちゃん到底かなわず、先につぶれてしまった。

次の日、東京に戻る私に高菜づけを持ってくるからと
朝、電話があったのに、昼近くになってもこないじいちゃん。
そこに、じいちゃんと一緒に住んでいた従兄弟から電話があった。
「今、家が火事になってじいちゃんが・・・・」

私に早く高菜漬けを持っていこうと、天気の悪かったその日、
ストーブのある部屋で洗濯物を干したのが原因。

私さえ帰省していなければと、何度も何度も思った。

じいちゃんの最後の顔も見てあげられなかった。


349 名前:347続き[] 投稿日:03/06/02(月) 13:41 ID:5uUCYBF1
火事で火傷を負い、葬式には出れなかったばあちゃん。
じいちゃんを止められなかったと自分を責めていた。
みんながそれぞれいろんな理由で自分を責めた。

お葬式の日、火葬場までの通り道にばあちゃんが入院していた病院があった。
霊柩車の後ろのバスに私達は乗っていた。
病院の前で包帯だらけで看護婦に付き添われたばあちゃんが
霊柩車を必死に追いかけ、
見えなくなるまで深く深く何度も頭を下げていた。
バスの中のみんなが今までで一番泣いていた。

あれから四年。
じいちゃん、曾孫ができたよ。
抱っこしてもらいたかったな。
でも、じいちゃんの変わりにばあちゃんがすごくかわいがってくれるよ。

不思議なことに私にも妹にも子供が生まれる前日
じいちゃんが夢に出てきた。
何も言わずにこにこ笑って肩をぽんぽんとたたいて何度もうなづいていた。
見守っててくれてるんだなと思った。
もうすぐ実家に子供を連れて帰省するからね。
エコーと焼酎もってくね。

子守唄に「みかんのはな」歌うといまだに涙が出る。

文章力なくってすいませんでした。






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