顔も名前も知らない隣人と、ピアノ演奏でコミュニケーション。ロックダウン中のロンドンにて、2人のピアニストが結んだ友情
今年1月、3度目のロックダウンが行われていたロンドンにて、イタリア人ピアニストのジョルジオ・ロ・ポルトさんが、新しく引っ越してきた隣人がピアノを演奏しているのを耳にする。

男性か女性か、年齢もわからない隣人にメモを残し、顔を合わせぬままに同じ曲を順番に演奏することを提案。

家からなかなか出られない中、ピアノを通じて心を通わせ、隣人がエミールという名の78歳のポーランド人で、昨年12月に新型コロナウイルスで妻を亡くしたのだと知る。

シャイなエミールは動画に出てくれることはなかったけれど、ジョルジオさんに「親愛なるエミール」という曲を作曲してくれるように催促したり、親密な関係となっていく。

しかし、2月末にベートーヴェンのピアノソナタ、月光を演奏したのを最後に、3月14日、エミールが眠ったまま亡くなったと知らされる。

以下は、ジョルジオさんが亡くなったエミールさんに宛てたメッセージ。

親愛なるエミール、私はあなたのことをほとんど知りませんでしたが、あなたは私の人生を変えました。あなたは私の情熱を私へと返してくれました。そして、私たちはそれを世界と共有しました。あなたは私の心の中にいるでしょう。音楽がいかにパワフルかを考えながら演奏を続けていきます。あなたは私があなたの光だと言いましたが、あなたも私の光でした。さようなら、エミール


Two neighbours playing piano between a wall - Giorgio and Emil



タグ
顔も名前も知らない隣人と、ピアノ演奏でコミュニケーション。ロックダウン中のロンドンにて、2人のピアニストが結んだ友情