505 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:02/05/13 17:30 ID:???
里帰り出産をして、出産後もしばらく実家にいた。
4月なのに初夏を思わせるような天気だった日のこと。


母方の祖父が、娘(祖父にとっては曾孫)の顔を見に来た。
春にしては少しまぶしい日差しの中、祖父は縁側にあぐらをかいて座り、
娘を抱っこしてくれた。
娘はすやすやと眠っていた。
せっかく祖父が来てくれたので、娘が起きた顔も見て欲しくて、
私は眠る娘の頬をつついて「起きて~」と言ってみるが、娘は起きない。
「せっかく来てくれたのに、寝ててごめんね。」と祖父に言った。
もともと無口な祖父は、何も言わずに、
娘を抱っこしがら、娘の顔を覗き込むように眺め、満足そうに微笑んでいた。


…と、そこで私は目が覚めた。隣では娘が眠っていた。
祖父が遊びに来たのは夢だったのだ。
寝ぼけた頭で良く考えて、祖父は6年前に亡くなっていたのだと気付いた。
亡くなっていた事を忘れるくらい鮮明な夢だった。

夢だったけど、祖父は本当に嬉しそうだった。
夢だったけど、祖父に喜んでもらえて嬉しかった。
夢を通じて、娘を見に来てくれたのだと思いたい。

里帰り出産を終え旦那の元へ帰る日の前日、母の実家の祖父の仏壇へお参りにいった。
「また遊びに来るからね。そしたらまた娘を見に来てね。」と願いながら手を合わせた。


思い出とは違うのでsage






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