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【良スレ】三十路の喪女に彼氏ができた結果wwwwww : 【2ch】ニュー速クオリティ

【良スレ】三十路の喪女に彼氏ができた結果wwwwww

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【良スレ】三十路の喪女に彼氏ができた結果wwwwww

huzyosi



1
: :2017/01/03(火) 18:50:20.32 ID:
年内からちょこちょこ書き溜めてたら超大作になったwww 

こういうスレ立ては初めてですが、書き溜めたの投下してくので 
喪女のさみしい妄想話とでも思ってお付き合いいただけたら嬉しいです 

ほんと、とにかく長いけどな!








2: :2017/01/03(火) 18:51:43.93 ID:
遡ること数年前。 
私たちにとっては、二十代最後の冬。 

久しぶりに、高校時代の美術部仲良しメンバーで飲み会をやることになった。 


卒業後もちょくちょく集まってたんだけど 
やっぱり、就職や結婚で、男性陣とは段々と疎遠になっててさ。 

でも女子会wはしょっちゅうやってたので、ある日のノリで 
久しぶりに男どもも呼んで、ちょっと早めの忘年会やろう!と。 


そしてその日の連絡で、Aちゃんは私に、ほぼ消えかけてた人の記憶を蘇らせた。 
3: :2017/01/03(火) 18:52:34.33 ID:
「なんかねー、意外な人が来ることになったんだけどさ」 

「えっ!まさかの顧問しまピー登場!?」 

「違うよw 
ほらー、いたじゃん?美術部の隠れキャラと呼ばれてた男子が」 

「んん?…………………あー、M君?」 

「うん。O君から誘ってもいいか聞かれてさ。 
断る理由も特になかったし…いいよね?」 

「別にいいよ。私、あの人ちょっと苦手だったけどねw」 

「そうねー、私もそんなに得意じゃなかったかなー。 
たぶんM君としても、O君が誘ったから来るんだろうし」 

「あ〜。飲み会とか、絶対参加しなそうなイメージだよねえ」 

「まあお互いもう大人なんだし、そこらへんは上手くやろう」 

「もちろん!楽しみにしてるよー」 
4: :2017/01/03(火) 18:53:48.76 ID:
M君は美術部員じゃなかった。 

彼は、顧問しまピーと同じバンドのファンってことで仲良くしてて 
放課後の美術準備室で、いっつもしまピーのCD聞きながら本を読んでいた。 

その彼にデッサンモデルを頼んで、準備室から引っ張り出したのがO君。 
どうもM君の本を読む姿がO君の感覚にツボったっぽい。 
M君、なかなかのイケメンだったんだ。 

美術室に出てきたM君は、そのうちO君以外の男子とも打ち解けて 
モデル契約が終わってからも、なんとなーく美術室に顔を出していた。 

でも私は、どこか陰気でトゲトゲしさのある彼が、どーにも苦手だった。 
その後もあまり接触なく卒業したので、私にとっては 


M君=準備室で仏頂面してる怖くて邪魔な男子 


それで全てだったんだ。 
8: :2017/01/03(火) 18:58:31.27 ID:
とりあえず見てるぞ 
10: :2017/01/03(火) 18:59:35.23 ID:
>>8 
どうもありがとう! 
なにぶん不慣れで、ちょっとモタついてます… 
9: :2017/01/03(火) 18:58:35.55 ID:
飲み会の当日。 
お店に着くのが遅れてしまった私に、Aちゃんからイマドコ電話が入った。 


「ごめん、もうちょっとで着く!」 

「うん、気を付けておいで。玉山鉄二もいるよ」 

「……はい?」 


店に着いて案内された個室のドアを開けると、なるほど、確かにいた。 
メガネをかけた玉山鉄二が、そこに。 

まーご想像どおり、それがM君の成れの果てだった。 

11: :2017/01/03(火) 19:00:25.82 ID:
「はい、あんたたち独身席ねー」 


Aちゃんに押されてM君の隣に追いやられる。 
この日集まったメンバー中、結婚のケの字すらないのは、私とM君だけだった。 


「え、う、あ…どーもお久しぶり……玉山クン」 

「お久しぶりです。 
まだ嫁入り前だから、名前変わってないはずなんですけどねw」 


苦笑いしながら、私のためにちょっと体をずらすM君。 


「Aちゃんなに言ってんだろ?と思ったけど、ほんと似てるね。 
どーして高校生のとき気づかなかったかなあ?」 

「あー。あのころはまだデビューしてなかったもんで」 

「ご本人様かww」 

「はいはい、人の顔見下ろしてないでさっさと座る」 

「あ、ごめんごめん」 


M君の隣ということでちょっと身構えたけど、 
冗談ぽくウザそうにされただけで、高校時代の陰気なトゲトゲしさはなかった。 
大人になって、ずいぶんと丸くなったんだなあ。 

つーかこれ、あれだ。 
きっとよそでも玉山玉山言われまくってんだろうな…。 
12: :2017/01/03(火) 19:01:34.55 ID:
「でもほんと久しぶり。M君とは卒業以来だもんね。 
前はよくこういう飲み会やってたんだよ?来ればよかったのに」 

「俺は部員じゃなかったから、やっぱり気が引けてさ」 


M君はこの二年間、資格取得のために勉強漬けの毎日だったとのこと。 
そして試験終了して、それまでの断酒生活にサヨナラしようと 
O君と飲む約束をしていたら、この飲み会の話がきた、と。 
どうやらそんな流れで、偶然の参加だったようだ。 


「なんかごめんね、部外者がいて」 

「んん?だって男子とはまだ付き合いあるんでしょ? 
だったら部外者ってわけじゃないじゃないw」 
13: :2017/01/03(火) 19:02:20.22 ID:
ちょっと縮こまり気味なM君の態度に 

そんな遠慮しなくても、その顔ならわりとどこもフリーパスなのでは…? 

と思ったけども、話してるうちに段々と気づいた。 
彼は、そういう馴れ馴れしさや、調子づいたところがない人だった。 

久しぶりのM君はトゲトゲしさが抜けたどころか 
控えめな雰囲気の、感じのいいイケメンに進化していた。 

きっと高校時代のぶっきらぼうな陰気さは 
大人としての落ち着きへ変化したんだろうな、と思った。 
14: :2017/01/03(火) 19:03:21.78 ID:
「なんか印象変わったねえ、M君。 
ホント言うと、高校のころはちょっと怖かったんだー」 

「あー…。ごめん、それはお年頃ってやつですよ。 
あのころは俺も女子が怖かったんだ」 

「へええ、そんな奥手だったんだ? 
まー喪女の私が言えたこっちゃないけどw」 

「うん、いまも似たようなもんだよ。どうぞお手柔らかにw」 


はい、それは絶対ウソだね。 

私は、彼氏いない歴=年齢の、正真正銘の喪女。 
「君は友達」「妹みたいな存在」なんて、フられ続けて十数年。 
だけど、男性ばかりな職場なので、ある意味で男の人には慣れている。 
お付き合い経験ゼロなのに、見る目ばっかり肥えちゃっていた。 

なのでこの日も、M君と話しながら冷静に観察もしてて 
好青年に大変身してる彼に驚きつつも 

「こいつ女慣れしてるなー。この顔なら当たり前かー」 

なんて、生意気なことを思ってもいたんだ。 

しかも私の男性の好みは、ゴツゴツした顔のいかついタイプ。 
イケメンには全然興味なくて、M君みたいな人といても全然ときめかない。 
15: :2017/01/03(火) 19:03:52.59 ID:
_______________________________ 

このお話はフィクションです 

_______________________________ 
18: :2017/01/03(火) 19:07:24.99 ID:
>>15 
そんな感じで読んでもらえると、実は助かるw 



137: :2017/01/03(火) 20:50:20.33 ID:
M君は、私を初めて女として認めてくれた人。 
私は自分の女としての尊厳を保つために、M君が必要だったんだ。 


ああ……みじめだな。 

彼氏いない暦=年齢なんて、冗談めかして公言しながら 
本当は私、こんなにも自分のことを、みじめに感じていたんだ。 
M君の生い立ちまで利用してでも、自分の中の"女"を守りたかったんだ。 
そんなことをしなけりゃ、女としての自分を保つこともできないなんて…… 

これはもう、M君がどうとかいう問題じゃあない。 
私自身がこんな気持ちじゃ、彼と付き合うことなんてできやしない。 


そう思った瞬間、寂しくて寂しくて、涙がボロボロこぼれてきた。 
Sさんが「泣いちゃえ、泣いちゃえ」と、背中をさすってくれた。 
138: :2017/01/03(火) 20:51:05.71 ID:
「私ぃ…もうM君とはぁ、お付き合いできないですぅ」 

「そうですか、うん、うん」 

「だけどぉ……別れなくないんですぅ」 

「うん、うん、わかります」 

「私ぃ、どうしたらいいんでしょうかぁ」 

「そんなこと、私は知りませんよ」 


ぐはっ! 

優しい顔をしたSさんから、心を突き飛ばされた。 


「…………そりゃそーっすよねぇぇぇぇ」 

「はい。そこは喪子さんの好きにしてください。 
て言うか、喪子さんの好きにしていいんです」 

「でももう、自分がどうしたいのか、わからなくなっちゃってぇぇぇ」 

「あのね、"わからない"のは、頭で考えちゃってるからです。 
いま大事なのは、頭で考えた理屈よりも、心で感じる気持ちじゃないですか? 
気持ちを感じるだけなら、いつだってできるはずですよ?」 
139: :2017/01/03(火) 20:51:39.36 ID:
「気持ちぃぃぃ」 

「はい」 

「私の気持ちはぁぁぁ」 

「うん」 

「………別れたくなんかないです。 
例え共依存と言われても、やっぱりM君が好きです。 
今の私にわかるのは、それだけみたいです…」 

「だったら別に、別れる必要ないんじゃないですか?」 

「でも、こんな浅ましい気持ちでM君と付き合っても… 
絶対にいい方向へなんて行きっこないです…」 

「大丈夫ですよ、そんなの。 
実は男女の関係って、大抵が共依存なしには始まらないそうですよ? 
だとしたら、共依存がなかったら、人類絶滅ですよ。 
別に特別なものじゃないんです、誰の中にも多少はあるものなんです。 
そうと自覚してるかどうかだけで、その後の関係は変わるもんですよ」 
140: :2017/01/03(火) 20:52:17.47 ID:
「私が頑張れば…なんとかなるでしょうか?」 

「んー。喪子さんだけ頑張っても、どーにもならないでしょうねえ」 

「………ですよねぇぇぇぇぇ」 

「Mさんは、カウンセリングやセラピーでも受けるのがいいんでしょうけど」 

「けど?」 

「ああいうの、自発的に受けないと効果ないですしねえ」 

「ああああぁぁぁ」 

141: :2017/01/03(火) 20:52:42.10 ID:
「そもそもですね」 

「なんでしょうか」 

「Mさんとお付き合いするのに、どうして喪子さんだけが頑張るんですか?」 

「えっ?それは………」 

「別にいーんじゃないですか?特に頑張らなくても」 

「えっ?………いーんでしょうか???」 

「うん。頑張れって、誰が言ったんですか?」 

「誰がって…………あっ!?」 

「はい?」 

「…………言ってるのは、私だけですね」 

「ですねー」 

「そうか………別にいいんだ、頑張らなくても」 


Sさんは、すごかった。 

話していると、自分の脳みその表面に凝り固まっている 
思い込みだの偏見だのが、ガンガン剥がれ落ちていくみたいだった。 
143: :2017/01/03(火) 20:53:26.79 ID:
「そんなこと言えば、私なんか思い込みで生きてきた典型例ですよ。 
Mさんが何人も彼女作ってきたのだって、たぶんそう。 

Mさんは、人間関係の基礎となる親子関係が 
彼一人だけ見捨てられることで成り立っていました。 
だから彼には、人間関係とは相手から見捨てられて一人ぼっちでいることだ、 
という観念が植えつけられているんだと思います。 

でもずっと見捨てられ続けた彼は、もう人から見捨てられることには耐えられない。 
自分が見捨てられないために一番いい方法は 
見捨てられる前に、自分から相手を見捨ててしまえばいい。 
それがMさんの一年タイマーの正体だと思います」 
144: :2017/01/03(火) 20:53:59.45 ID:
「彼には、お付き合いの内容は、あまり重要じゃないのかもしれません。 
"自分は見捨てられなかった"という事実だけが、彼に安心感を与えているんでしょう。 
そしてそうやって別れた結果、親に教え込まれた人間関係である 
「一人ぼっちでいる」という状態を維持することもできるわけです。 

相手に別れる気があるかないかは、彼にとって問題ではないんです。 
自分の中の、"見捨てられたらどうしよう"という不安に突き動かされて、 
"教えられたとおり、自分は一人でいるよ"と見てもいない親に証明してるだけ。 

それは言ってしまえば、Mさん一人の思い込みによる妄想です。 
彼は、自分が作り出した妄想に縛られて、一人で悩んでいるんです」 
145: :2017/01/03(火) 20:55:08.36 ID:
「喪子さん、人を束縛するのはね、社会とか規則とかよりも 
圧倒的に、自分自身なことが多いんです。 

だけどそうやって自分で自分を束縛しないと、生きられない人生もあるんです。 
大げさに聞こえるでしょうけど、それが生きる術になってしまう人もいるんです。 

Mさんにとっては、自分を存在価値ナシというレッテルで束縛することが 
きっとその環境を一人ぼっちで生き抜くための術だったんでしょう。 

だから、Mさんのレッテルを無理矢理剥がして変化を迫るのは 
彼に死ねと言ってるのと同じになる可能性があるんです。 
だって彼は、いまだに自ら一人ぼっちになって生きていこうとしてるわけですから。 

お二人には酷でしょうけど、Mさんは、誰かと仲良くはなれても 
共に生きることはできない人なんですよ。 
自分の妄想の世界の中で、目の前にいもしない親に忠誠誓って生きてるんです。 
だけど、それこそが、お二人が大好きなMさんなんです。 

人が人を変えることはできません。 
自分しか、自分を変えられる人はいないんです。 
できるのは、相手の存在をそのまんま認めることです。 
付き従うでも、巻き込まれるでもなくて。 
私は、そうやって相手を尊重しあうのが、愛なんじゃないかなって」 
147: :2017/01/03(火) 20:56:19.79 ID:
それから私は本やネットで 
共依存やアダルトチルドレンのことを夢中で調べまくった。 

何度も書いてるので口説いようですが、私はM君の優しさが好きなんです。 
だけどいろいろ調べるうちに、そんな彼の優しさも 
もしかしたら生い立ちに影響を受けてるのかも?とわかってきた。 


M君の優しさは、例えば記念日に高価なプレゼントをくれるような 
目立ったアピール性のあるものじゃあない。 
むしろそういうのには無頓着なほう。 

だけど、ちょっと疲れてたり落ち込んでたりを、 
こっちが何も言わないのに気づいて、あったかい飲み物を差し出してくれるような 
そういうほっとするような優しさが、彼にはあるんだ。 

でもそんなのも、ものすご〜くイヤな言い方すれば 
子どものころから大人に気を遣ってきたせいで、 
人の顔色を伺ってご機嫌をとるのが上手い、ということになっちゃう。 
148: :2017/01/03(火) 20:56:48.39 ID:
だから、そこを殊更にありがたがるのは、果たしていいのか悪いのかがわからない。 
でもでも、やっぱりそれは彼の長所の一つだし、私には大きな魅力だ。 
何に影響を受けてのことであっても、それだけは否定できない。 

そんなふうに見ていくと、何が正しいのか間違ってるのか、 
さっぱりわからなくなってしまった。 
Sさんが言った、相手の存在をそのまんま認めるって 
案外難しいんだな…とぼんやり感じた。 

でも、それでやっと気づいた。 

どの本にもどのサイトにも、私とM君は出てこないんだ。 
やっぱり私は、M君と向き合うことでしか 
私たちの関係を理解することはできないんだ…。 
149: :2017/01/03(火) 20:57:20.86 ID: