戻る

このページは以下URLのキャッシュです
http://blog.livedoor.jp/maxell011/archives/2199311.html


チラシの裏でゲーム鈍報:『アサツグトリ』レビュー。良い意味でも悪い意味でも「デスゲームモノ」を壊した挑戦的ゲーム

『アサツグトリ』レビュー。良い意味でも悪い意味でも「デスゲームモノ」を壊した挑戦的ゲーム

2021年12月09日 21:00
アサツグトリ レビュー 評価 (1)


『アサツグトリ』

アサツグトリ レビュー 評価 (8)

最近の日本一ソフトウェア特有の「これフルプライスで売る?」系のほぼインディーズに近い新規IPゲーム。
ダンガンロンパをはじめとした、所謂なクローズドサークルの「デスゲーム」と
シュタインズゲートをはじめとした、所謂な「タイムリープ」をかけ合わせたゲーム。

主人公を含めた8人の女の子が謎の施設に閉じ込められ、生き残りをかけたデスゲームが
はじまるのだが、主人公が「タイムリープ」の能力を持っており、殺人事件が起こっても
それを「なかったこと」にし、その殺人事件を未然に防ぐことが目的のゲーム。


結論

ダンガンロンパみたいなゲームが好きな人、シュタインズゲートみたいなゲームが好きな人

に、決して「おすすめ」はできないが、満足はできるゲーム。


あえて点数をつけるとすれば、75点ぐらい。

アサツグトリ レビュー 評価 (5)



総合評価

デスゲームモノにタイムリープモノを混ぜるという挑戦的なゲーム。
デスゲームモノで絶対にやってはいけない、タイムリープ要素という概念そのものをぶち壊すかのような行為を
きちんとねじ込みきった。この2つを組み合わせる、ありそうでなかった、このゲームにしかない面白さがある。

ただし、それが目をみはるほどの面白さというわけではない

デスゲームモノとして見た場合。
ダンガンロンパ的なデスゲームの「平均点以上、良ゲー未満」という評価。

タイムリープモノとして見た場合。
シュタインズゲート的なタイムリープモノの「平均点以上、良ゲー未満」という評価。

ダンガンロンパを期待するとがっかりするし、シュタインズゲートを期待するとがっかりする。
ただ「デスゲームモノといえばこの面白さだよね」「タイムリープモノといえばこの面白さだよね」といった
それぞれの要素を好きな人が求めてる程度の面白さは十分に持っていると思う。

ただ勘違いしないでほしいのは、「デスゲーム×タイムリープ=爆発的な面白さ」があるわけではない。
もちろん、かけ合わせたことによる、このゲームにしかない特有の面白さもあるにはある。
かけ合わせて、はじめてできる面白い仕掛けもちゃんと用意されてはいるが
それぞれ単体が、ダンガンロンパやシュタインズゲートに遠く及ばないため、如何せん物足りなさを感じてしまう。
期待しすぎてはならない。ただ、並以上の面白さは確かにある。

ちなみにダンガンロンパ的な要素は、あくまでクローズドサークルのデスゲーム要素であって
ダンガンロンパのような推理モノではない。ダンガンロンパから人狼要素を取り除いたようなゲーム。
そもそも、殺し合いという設定だが、「誰かがバレないように人を殺して、犯人を見つけ出して誰かを追放する」
といったような人狼要素がなく、単純に全員を殺して、一人だけ生き残ればいいというルール。
そのルールの中で、主人公がタイムリープし、事件を未然に防ぐために、犯人探しが必要になるだけで
事件の真相を推理し、証拠を見つけ、追求するというようなものはほとんどない。

2021-12-08 (1)


推理パート的な場所で行われるのは、「○○が起こった時はいつだった?」→「昼食後」「夕食後」のような
ただのストーリーおさらい記憶力クイズゲームの部分が大幅を締めている。
だからなのか、ジャンルをよく見ると「タイムループ探索アドベンチャー」となっており
どこにも「推理」の文字がなく、代わりに「探索」が入っている。
実はこのゲーム、「探索」がメインのゲーム。



良い点

とにかくイラストがバカみたいに良い。

アサツグトリ レビュー 評価 (4)

元々ツイッターでこのイラストレーターの方を見かけて、ファンだったというのもあるのだが、
暗い雰囲気のイラストを描くことに長けていて、それがデスゲームモノの舞台と
非常にマッチしていて素晴らしい。パッと見でイラストが好みだった人はハマれるかもしれない。
キャラクターも非常に良く、そこまで個性的ではなく、主張しすぎない女の子たちというのが
ゲーム全体の雰囲気にあっていて、世界観を壊しすぎない。

前述したとおりでもあるが、ストーリーもデスゲーム好き、タイムリープモノ好きとして満足できる。
「それをやってほしかった」というのがいくつも散りばめられている。
そしてこのゲームにしかできない仕掛けも、挑戦的で目新しさがあった。



悪い点

令和のフルプライスと思えないボイスなしADV
これは事前情報をしっかり確認していなかった自分も悪いのだが、驚くべきことに
このゲームはボイスが一切ない。アドベンチャーゲームなのに声が一切ついていない。
そこの度肝を抜かれ、最近のゲームしかやってない人はびっくりするかもしれないが
正直、ボイスがなかろうが、ゲームをやっていれば全然慣れる。

アサツグトリ レビュー 評価 (3)

誰か誰だかわからないキャラクター
キャラクターは個性的ではないという部分が良くもあるが、悪くもある。
こういう舞台設定の場合は、どうしても登場キャラ8人が最初に一斉に登場させる必要がある。
すると誰が誰か名前を覚えきれない。普通のデスゲームモノでは、キャラクターが個性的なものが
多い理由がこのゲームでわかる。ただ、これも最初は戸惑いもするが、読み勧めていけば、全然慣れてしまう。


苦痛と無しかない探索

ゴミの部分

探索をする場所はそれほどないが、代わりにリアルタイムの「時間製」が混入している。
そのため、どの時間かのどこかにいる誰かに会わなければ攻略できないような探索が必要となる。
時間を過ぎて、入れ違ったりしてしまえば、その時点でアウト。
ただしこのゲームは「タイムリープ」ができるため、そうなるとまた時間が巻き戻り、探索のやり直し。
さらに早送りなどもないため、時間が経つまでその場で放置しなければならない時間もある。
これだけならまだ理不尽な探索程度なのだが、加えて探索の難易度をあげるために
全くなにも用意されていない無の部屋がマップに大量にある。

アサツグトリ レビュー 評価 (9)

「空き部屋」となっており、終始誰もおらず、もちろん探索してもなにも見つからない。
そんなプレイヤーを迷わせるためだけのハズレ部屋がいくつもあるせいで、余計にストレスを募らせる。

正直この「探索」要素の不満点を並べたら、この記事すべてが埋まってしまうほど。
このゲームのマイナス点のすべてを担っているのがこの探索要素。全く面白くなく、苦痛でしかない。

このゲームをやるならば、それ相応の苦痛を味わう覚悟が必要。



ちょっとネタバレだけど絶対に伝えたいこと

これは第一章の最初の事件の決定的なネタバレになってしまうため、
あまりレビューに書くべきではないのかもしれないが
これを明かさないと、このゲームの真髄を伝えられないと思ったので、あえて書かせてもらう。
自分でこの驚愕を味わいたい人は今すぐ戻ることを推奨。


アサツグトリ レビュー 評価 (7)




このゲームは超能力者同士のデスゲームである。

タイムリープというのは、たまたま主人公が手に入れた超能力であり、超能力モノのデスゲームにおいて
最強の能力を手に入れてしまったという世界設定。
そのため、何が起きるかというと、最初の殺人で超能力を使った殺人トリックが用いられる。
だからこそ、このゲームが推理モノとして破綻している。もちろん、誰がどんな超能力を持っているか
わからないため、超能力の殺人事件を推理するという無茶をさせられるのだが、
その無茶を覆すことができるのが、主人公の「タイムリープ」という最強能力。
ある程度の憶測をつけ、未来を体験すれば、真相に近づくことが可能になる。

だからこそ、実はこのゲームはデスゲームモノかつ、タイムリープモノで、さらに超能力モノなのだ。

この3つの要素をかけ合わせた、このゲームにしかできない特有の仕掛けが
シナリオに組み込まれているのが、このゲームの面白いところである。

アサツグトリ レビュー 評価 (6)


そしてこのゲームにしかない要素が、誰も死なないデスゲーム。
殺人事件を未然に防ぐことができるが、主人公が防がなければ、実際に殺人事件は起きていた。
そしてそれを阻止した先にあるのは、「殺人者」と「被害者」がクローズドサークルに存命する舞台。
それを、決して上手い表現とはいえないが、なんとか描写している挑戦的な部分は評価したい。

そしてこのゲームはデスゲームモノ、タイムリープモノ、超能力モノの3つの要素を
組み合わせただけで、あくまでその程度のものであり、そこから生み出される大どんでん返しの
大仕掛けがあるということもない。そこまで期待しないほうが良いかもしれない。

正直こういうゲームが好きならば、ある程度想像できるような展開で期待を裏切るような、
それ以上の展開はないかもしれない。だが逆に言えば、期待を裏切らない面白さがある。


アサツグトリ - PS4
日本一ソフトウェア

発売日 2021-11-25
¥6,000 (中古品)



Comments(7)コラム

この記事へのコメント

1. Posted by 名無しさん   2021年12月09日 21:01
真面目モードセルちゃんすき
2. Posted by 名無しさん   2021年12月09日 21:04
マクセルちゃんレビュー上手いね
見てたけどこういう書き方できんわ
プレイも記事もお疲れ
3. Posted by 名無しさん   2021年12月09日 21:05
久々のガチレビュー記事待ってたゾ
配信観てたけどほんと探索パートさえどうにかしてくれれば…って感じだった
4. Posted by 名無しさん   2021年12月09日 21:23
デザインがいいね
中古で安くなったら買おうかな
5. Posted by 名無しさん   2021年12月09日 21:37
苦痛と無しかない時代錯誤な探索もデスゲームの「虚無」とタイムリープの「遡行」を体感させる演出なのでわとフォローしてみる
7. Posted by 名無しさん   2021年12月09日 23:04
>5
君、ヤマカンみたいって言われない?
6. Posted by 名無しさん   2021年12月09日 23:04
なるほど、小説で読めば面☆白いかもしれないタイプのゲームか
※注意

ゲハに関連すること、ネガティブなこと、高圧的なコメントなど書き込み禁止です。
発見次第規制していきますので、何卒ご協力お願いいたします。
ぜひ頭空っぽで性欲まみれのアホみたいな書き込みを楽しみにしています。

※コメントを承認制にしました。管理人が確認後、公開します



この記事にコメントする

名前: