sefeeeewポーランド国境にほど近い、ウクライナ西部の街に入ったジャーナリストの佐藤和孝さん。これまでもアフガニスタンやボスニアなど様々な紛争地で取材を行ってきた佐藤さんに、AERAはインタビュー。ウクライナに入国した直後のこの街で彼が感じたのは、「平穏」に侵食する恐怖と孤立だった。



・日本で上がる「ウクライナは白旗あげたらいい」の声に戦場ジャーナリストが現地から激怒した理由〈AERA〉



――佐藤さんはこれまで、アフガニスタンをはじめ、チェチェン、イラクなど数々の紛争地を取材し、
街に暮らす市井の人の声を伝えてきた。リビウでも、衝撃的な出会いがあった。

佐藤:町工場の若社長として働く30歳の青年がいました。普段は台所用品を作っていたけれど、今は戦車や装甲車が街に侵入しないためのバリケード、
そして兵士たちがつける「ドッグタグ」を作っている。普通、ドッグタグには名前や生年月日、血液型や国籍、そしてナンバーが刻まれています。
でも、彼が作っていたのはナンバーしか書いていない、名前のないドッグタグでした。

僕がリビウで話を聞いた人たちは、国を守るために戦争に行くと話しました。当然亡くなる人も出てきます。
その人たちが無名のドッグタグをつけている。それを見たとき、切なくなった。一人の存在が、番号だけっていうのは……。

――その青年には7歳と3歳の子どもがいる。あなたも銃を持って戦争に行くのかと問いかけると、「行きたい」と答えた。

佐藤:でも、これまでに戦ったことのない青年です。恐怖について聞くと、「そりゃ怖い」と。
「でも、自分が死ぬよりも怖いのは、この国が消滅すること」「だから戦う」と言った。

日本のどこかの評論家だかで、「ウクライナは白旗をあげたらいい」と言った人がいるんでしょう。大馬鹿者ですよ。
だったらウクライナに来て、みんなにそう言いなさいと思う。

自分の国、文化や歴史がなくなるんですよ。安全圏で何もわかっていない、
命を懸けたこともない人がこれから命を懸けようとしている人たちに向かって言える言葉じゃない。

この国はロシアに踏みにじられてきました。ソ連崩壊でようやく独立国家になったのに、またそのときに戻ってしまう。
そうならないために血を流すことを彼らは厭わない。ゼレンスキーも含め、名もない人たちの気概がこの国を勇気づけているんです。

なのに、「10年後にはプーチンが死んでいるだろうから、その後、国に帰ったらいい」なんて馬鹿なことを言っている。
このままだと、10年でこの国はなくなるんです。腹の底から怒りを覚えます。






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・戦争で白旗揚げる意味を簡単に考えすぎている人が多いのも間違いありません。私は、アニメ鬼滅の刃の冨岡義勇が言った「生殺与奪の権を他人に握らせるな」という台詞を思い出しました。
負けるという意味は、全てを勝者の意思に任せるということです。過去、日本は敗戦でこの権利を連合国に任せることになりました。結果主にアメリカの思惑もあって、現在は復興して先進国となりましたが、もしかしたら日本は存在しなくなっていたかもしれません。


・日本はGHQ(アメリカ主導)での占領だったから、なんとか今の発展がある。
しかしロシアに占領されてたらどうなっていただろうか。
戦犯になった旧日本軍の扱いも全然違った。アメリカに捕まった軍人はきちんと裁判を受け、釈放もあった。一方ロシアに捕まった軍人や民間人は皆も良く知っているシベリア抑留となり奴隷扱いで多数の死者を出した。
ソ連が満州には行った時は多くの日本人が虐殺され、多くの日本女性は辱めを受けた。
ロシアに占領されると言うことは死を選んだ方がマシと思えるくらいの環境になる。


・想像力の無い人は、白旗を上げれば戦争が終わり、しばらくしたら元の生活に戻れると思っているんでしょう。白旗を上げる事はほぼ無条件で降伏する事になり、ロシアがでっち上げた科学兵器や核による汚染計画を事実として認めさせられる。賠償責任を求められ、傀儡政権を作られる。国の重要人物は、犯罪者として処罰される。一般人もどの様な理由で罰せられるか。今のロシアと同様に発言の自由はなくなり批判するものは投獄。自国の軍隊は解体され、ロシア軍が駐留。駐留費用はウクライナの負担。選挙なんて実施しても建前。政治・経済・教育すべてロシアに従うしかない。戦争が終わってもロシアへの経済制裁は終わらないので、ロシアの負債をウクライナが払わせられる可能性がある。これでも、安易に白旗を上げれば良いのか?


・降伏した場合、ウクライナは(ロシアの理屈では)合法的にロシア領土として併合される可能性がありますよ。
侵攻初期は「ウクライナ東部のドネツク・ルバンスクを独立国として認めよ、これらの地域はウクライナ国内ではウクライナ軍内のネオナチ(=アゾフ連隊)に虐待を受け続けジェノサイドがあった」「それらの国から要請があったので侵攻した」というのがロシアの国際法の解釈でした。ロシアは保護国としての介入ですね。
でもウクライナ東部の分離独立を考えず、ウクライナという国家の正統政府を争う内戦と考えると、ゼレンスキー政府を打倒し、親ロシア派政党を立て、ウクライナ代表政府として、親露諸国から正統政府承認を受けたりする道もあります。そうすると白旗あげようが、ウクライナ全土占領が目標なので、ロシア軍自体、撤退せず駐留するのが目に見えてます。その傀儡政府がロシアへ併合認めればウクライナという国は無くなります。